【記事内容】アメリカで出願されている特許の調査方法についてご紹介
こんにちは。筆者のma2ka(マニカ)です。
今回は海外で出願されている特許の調査方法をまとめていきたいと思います。
海外といっても、多くの国があるので、今回は2017年に特許出願数が最も多い国だった米国の特許調査方法を説明したいと思います。
※余談ですが、私自身が仕事で海外の特許を調べたかったのですが、調べ方が分からず、知財関係の仕事をしている友人のAちゃんに方法を教えてもらいました。友人のAちゃんありがとう!今回はその時に覚えたやり方をご説明します。
ちなみに、2017年の特許出願数の国別ランキングは下記サイトに記載されているので、興味ある方はご覧ください。
世界の国際特許出願件数 国別ランキング
引用元:https://www.globalnote.jp/post-5380.html
ランキングをみると、1位:米国、2位:中国、3位:日本、4位:ドイツとなっていますが、ここまでの順位はGDPランキングと一緒で、ある程度の相関がありかもですね(特許数多い≒技術先進国かつ人口多い≒稼いでる国?)。
前置きが長くなりましたが、それでは実際に米国の特許検索方法をまとめていきたいと思います。
調査に使用する特許検索システム
調査に使用するシステムは、ずばり!、
米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office, 通称:USPTO、以下USPTOと明記)のウェブページで提供しているシステムを使用します。
もちろん、今回も無料で特許を検索する事ができます。ネット環境さえあれば誰でも検索可能です。
検索サイトで『USPTO』または『米国特許庁』と検索すれば、一番はじめにUSPTOの公式サイトが出てくると思います。
一応、URLは下記になります。
USPTOウェブサイト
引用元:https://www.uspto.gov/
実際に特許を調べてみる
上の図のUSPTOトップページにあるメニューバーの『Patents』⇒『Application process』⇒『Search for patents』を選択します。その中で、『Quick Search』をクリックしてみます。そうすると、下の画面が出てきます。
Term 1とTerm 2がありますが、ここに検索したいキーワードを入れていきます。今回は日本の特許調査の延長で、『自動運転』について調べてみます。
自動運転は英語で『self-driving』とか『autonomous』というらしいのですが、今回はself-drivingを使って検索します。Term 1に『self-driving』といれてField 1は『All Fields』とします。
All Fieldsは特許全文からキーワードをみつけてくるという意味で、他にTitle、Abstract などを選択する事ができますが、これらを選択すると、タイトルのみ、アブスト(特許の概要を説明する冒頭の文章)のみに対象範囲を絞って検索する事もできます。
Term 2 には検索する特許数を絞る為、特許を出願している会社を特定します。
今回は前回に引き続き、トヨタ自動車『Toyota motor』にして、Field 2は『Assignee Name』を選択します。
Assignee Nameとは、直訳すると譲受人となりますが、その名の通りで、特許として認められた時に特許権を得る人/団体名となります。企業として出願する場合は、基本的には企業名が入ります。
んじゃ、発明した人の名前は?というと、『Applicant Name』をいう選択欄があるので、ここに該当します。
上記のTerm 1とTerm 2で検索してみると、、、、出ました!TOYOTAの自動運転の特許!
今回は、検索結果の一番頭にきた『US Patent No: US 10,139,823』を例にとって説明させていただきます。
この特許ですが、本文を読むことはできますが、グラフや図がこのままだと見られない状態です。
そこで、さきほど説明した『Quick Search』の画面にある『View Publication Full-Page Images』を選択して、Patent No.を記入します。今回は上記のUS 10,139,823の『10139823』を入力します。
そうすると、図が入った特許全文を閲覧する事ができます!
他にも、いま話題のテスラ(Tesla Motors)やフォルクス―ワーゲン(Volkswagen )、フォード(Ford)などなど、いろいろ出てきて楽しいですよ。
余談ですが、テスラとTOYOTAの共同出願の特許も出てきましたが、この2社って技術提携してたんだ!?(注:2014年に申請されているので古い情報ですが)。
今回は自動運転をself-drivingで検索しましたが、どのメーカーで調査しても検索数が少なかったです。
おそらく、もっと違う単語があるのでは?と思っていますが、その辺が日本語特許とは違う、英語特許の英語独自の言い回しだったり、英語の検索テクニックを見つけられていないんだと思っています。
まとめ
今回は米国の特許を調べる方法をまとめてみました。
今回調べてみてびっくりした事は、アメリカの特許って1790年からあるみたいです(正確には1790年に出願されているモノを見られる)!さすが、特許大国アメリカですね~。
次回はEUで出願されている特許の調べ方について説明していきたいと思います!それでは~。
※追記:記事公開後、暇な時に自動運転の特許について調べていた所、トヨタは『TOYOTA Motor』ではなく、『TOYOTA JIDOSHA』で検索した方が、圧倒的に検索される特許の数が多かったです。
TOYOTA Motorが2025件に対して、TOYOTA JIDOSHAが24172件。
もしかして、日本語のローマ字表記で出願してるのかと思い、ホンダについても同様に『HONDA Motor』と『HONDA GIKEN』の両方で検索してみましたが、ホンダは前者の『Honda Motor』の方が検索数が多かったです。
ただし、『HONDA GIKEN』も相当数が検索されました。HONDA Motorが13453件に対して、HONDA GIKENが10640件。
また、村田製作所や住友化学なども調べてみましたが、村田製作所、住友化学とも全て英語表記の『MURATA MANUFACTURING』 、 『SUMITOMO CHEMICAL』で出願しており、 日本語のローマ字表記では出願していませんでした。
英語表記とローマ字表記で出願する違いについて、現時点では分かりませんが、両方で調べてみた方がよさそうです。
【参考文献】
1. US Patent No: US 10,139,823
2. US Patent No: US 9,828,039
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