こんにちは。筆者のma2ka(マニカ)です。
今回はタイトルの通り、交流電流とは何?って事で高校レベルの物理学の知識を使って分かりやすくご紹介したいと思います。
また、最後の方は交流電流に関係する電磁気学(電磁誘導)を応用した製品ってどんなものがあるかについても簡単に触れたいと思います。
偉そうにツラツラ書いていますが私自身久しぶりに高校物理に触れて、なるほどの連続だったので備忘録もかねて、なるべく分かりやすく解説していきたいと思います。
おいおい、そこ間違ってるよっていう箇所やご不明な点などありましたら、このページの一番下にある『お問い合わせフォーム』からコメント頂けたら幸いです。
それでは早速、本題に入っていきましょう。
交流電流とは?
交流電流についてWikipediaで調べると下記のような記述がされています。
交流(こうりゅう、英: alternating current: AC)とは、時間とともに周期的に向きが変化する電流(交流電流)を示す言葉であり、「交番電流」の略。また、同様に時間とともに周期的に大きさとその正負が変化する電圧を交流電圧というが、電流・電圧の区別をせずに交流または交流信号と呼ぶこともある。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』交流
上記のような言葉の概念については多くの方が持っていると思います。
要するに交流は直流と違って電流の向き(+と-)が周期的に変化するという事。
ここで一つの疑問が生まれると思います。
『なぜ、電流の向きが周期的に変化するのか?』
その疑問を解くために、さっそく高校の物理Ⅱで習う交流の電圧の式を下記します。
$$ V = \omega {\it \Phi} \sin \omega t$$
ここで、\( \omega \):角周波数、\( {\it \Phi} \):磁束を示しています。
いきなり、角周波数と磁束という言葉が出てきましたが、補足すると角周波数\( \omega \)は周波数\( f \)に2\(\pi\)を掛けた数値です。
周波数はご存じの通り、東日本では50Hz、西日本では60Hzで、要するに『1秒間に+と-の向きが何回変化するか』を示していています。
また、\( {\it\Phi} \):磁束は ≒ 磁力とざっくり考えてもらえばOKです。
ちなみに、上記の式は電圧ですが、電気回路中に一つの抵抗体Rがある場合、交流でもV = IR が成り立つので、交流電流の式もsinθ (正弦波)の式となります。
ややこしい単語がいくつか出てきましたが、ここで抑えておきたいポイントとしては、
②交流電流は磁力と関係がある。
それでは上記の2点のポイントを頭の片隅に入れておきながら、次章で交流電流が作られる仕組みについてご説明します。
その際にポイント①と②について、なぜ交流がsinθの波で表現されるのか?、なぜ磁力と関係があるのか?について解説していきたいと思います。
交流電流が作られる仕組み
(1) 交流電流はどこで作られる?
交流電流ってどこで作らているのか? 答えは『発電所』ですよね。
発電所の種類には、火力発電所、水力発電所などがありますが、火力発電所では、石油・石炭などの化石燃料を燃やして作られる蒸気を使ってタービンを回します。
水力発電所では、水を高い所から低い所に流してその高低差で得られる力を使ってタービンを回します。
火力発電所は熱エネルギーを使って、水力発電所は高低差を利用した位置エネルギーを使って、電気エネルギーに変換しています。
ここで重要なのはどちらもエネルギーの変換の際にタービンを回して発電しているという事です。
ここで疑問なのが、なぜタービン(羽根車)を回すと電気が発電されるのか?
そこで関係してくるのが磁力(電磁気)です。詳細について次節で説明したいと思います。
(2) 交流電流はどうやって作られる?
前節で交流電流は色々なエネルギーをタービンを回して電気エネルギーに変換する事で得られると言いました。
それでは、なぜタービンを回すと発電されるのか?
答えは、『電磁誘導という現象を用いて誘導電流を発生させている為』です。
ここで、電磁誘導という言葉が出てきましたが、電磁誘導とは導線をグルグル巻きにした状態(コイル)の回路に磁石を近づけると回路上に電流が流れる現象の事をいいます。この時、回路に流れる電流の事を誘導電流と言います。
導線をn回巻いたコイルの周りで磁束(磁力)が変化した場合に発生する電圧は下記の『ファラデーの電磁誘導の法則』で表されます。
$$ V = – n \frac{\Delta{\it\Phi}}{\Delta t}$$
この時、タービンの回転軸にN極とS極の磁石を付けておくと、\( {\it\Phi} \)は回転とともに磁束が変化し、結果的に前節で述べたように回転軸の各周波数\( \omega \)の正弦波sinθの電圧(誘導起電力)と電流(誘導電流 = 交流電流)が発生する仕組みです。
このようにして、ファラデーの電磁誘導の法則を用いて、磁束の向きを変化させる事で+と-が周波数に応じて入れ替わる交流電流が作られるという仕組みです。
『電磁誘導』を応用した製品とは?
(1) 自転車のライト
車輪の回転する運動エネルギーを使って磁石を回転させる事で、その磁石の周りに巻いたコイルの回路に電流が流れてライトが点灯します。これも発電所のタービンと同様にファラデーの電磁誘導の法則を利用した製品です。
(2) 自動車のオルタネーター
オルタネーターとは、車のエンジンの動力(ピストンの回転エネルギー)を使って交流電流を発生させ、コンバーター(交流から直流に変換する部品)を通して、自動車で使用する電気(カーナビの作動、ライトの点灯など)を発生する部品の事をいいます。
このオルタネーターも電磁誘導を利用した製品です。ガソリンと空気を使って爆発させてエンジンのピストンを回転させ、その時の回転エネルギーを使って電磁石を回して周囲のコイルに電流を発生させる事で交流電流を得る事ができます。
ここで発生させた交流電流をコンバーターという直流に変換する装置を用いて直流電流に変えて、車のバッテリーに蓄電する事でバッテリーから色々な電気機器(エンジンの着火に必要な放電、カーナビ、ライトなど)を動かす事が出来ます。
(2) 電磁弁(ソレノイド式)
電磁弁とは、配管内を流れる液体や気体を止めたり流したりする為の開閉機構のある弁で、電気的に開閉作業ができる弁の事を言います。
水道の蛇口をイメージするとわかりやすいです。水道の蛇口は手でひねって開閉しますが、この作業を手を使わずに全て電気的な信号で開閉するのが電磁弁です。
電磁弁の動作は自転車のライトやオルタネーター、発電所のタービンとは逆の発想になります。
コイルの近くに磁石を近づけるとコイルの回路に電流が流れますが、逆にコイルに電流を流すとコイルの巻き方向に垂直に磁場が発生します(右ネジの回る向きがコイルの電流が流れる向きの場合、ネジが進む方向に磁場が発生)。
このコイルに電流を流して発生する磁場を利用して鉄などの磁性体バルブを上下動して弁を開封する仕組みが電磁弁の動作メカニズムです。
まとめ
今回はタイトルの通り、交流電流とは何?って事で高校レベルの物理学の知識を使ってご紹介させて頂きました。
また、最後の方は交流電流に関係する電磁気学(電磁誘導)を応用した製品ってどんなものがあるかについても簡単に触れました。
私の高校時代を振り返ると物理学は好きではあったものの基本的にはテストの為、大学に合格する為に勉強していたので、教科書に書かれている色々な式なども紙上での話で、実際の物理現象としてはイメージが沸きづらかったです。
しかし!大学に入り、その後、社会人(技術系)になってから物理学で習う色々な式の重要性&有難さをヒシヒシと感じています。
そういう意味で、もし、この記事を上記のような私の高校自体と似たような考えの高校生の方が閲覧していたら、物理についてイメージがより沸いたり、また、物理の必要性が今よりも+αで分かってもらえたら、とてもとても嬉しいです。
以上、最後まで閲覧して頂きましてありがとうございました。
今日はここまで。それでは~。
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