こんにちは。筆者のma2ka(マニカ)です。
工程能力指数(\( C_{pk} \))とは?って事で、良く耳にするけど改めて説明してみてって言われたら、、、、、
うまく説明できない!という方がいらっしゃるのではないでしょうか?
かくいう私もその一人なので、今回は備忘録がてら工程能力指数(\( C_{pk} \))についてざっくばらんにご説明していきたいと思います。
工程能力指数とは?
工程能力指数 \( C_{pk} \)とは製造業の品質管理で良く使われる言葉です。
工程能力指数を一言でまとめると『ある製品を作る製造工程において、不良品がどの程度の確率で発生するかわかる指標』となります。
言い換えると言葉の通りですが、『ある工程の不良が発生しない能力ってどんなもんかが分かる指標』です。
めちゃくちゃ大雑把な説明ですいませんw
例えば、 \( C_{pk}=1\) の場合は不良発生率が約0.27%なので、製品を1000個作った場合、そのうち27個は公差(管理幅)から外れた不良品になります。
また、 \( C_{pk}= 1.33\) の場合は不良発生率が約0.07%なので、製品を10000個作った場合、そのうち7個は公差(管理幅)から外れた不良品となります。
言葉だけだと何となくでしか理解できないと思うので、実際に式とグラフを使ってご説明していきたいと思います。
工程能力指数を数式とグラフで解説
まずは工程能力指数の式は以下の通りです。
$$C_{pk}=\frac{USL – \mu}{3\sigma}\tag{1}$$
又は
$$C_{pk}=\frac{\mu – LSL}{3\sigma}\tag{2}$$
ここで、\( USL \):管理幅の上限規格値、\( LSL \):管理幅の下限規格値、\( \mu \):製品の管理項目の平均値、\( \sigma \):管理項目の標準偏差を示しています。
\( C_{pk}\)の式が2つあるけどどっちなん?って思われたかもしれません。
これは平均値\( \mu \)が管理幅の中央値よりも上限側にある場合は(1)式を、平均値\( \mu \)が管理幅の中央値よりも下限側にある場合は(2)式を使用します。
なぜ式を使いわけるかは、下のグラフで説明したいと思います。
図1は製品の平均値と上下限の管理幅の中央値が同じ場合(どちらも0)の分布を示しています。
一方、図2は正規分布曲線が3つあります。
1つ目は図1と同じ平均値=0 (管理幅の中央値と同じ)の場合の曲線で、2つ目は平均値①が管理幅の上限側にある曲線で、3つ目は平均値②が管理幅の下限側にある曲線です。
例えば、図2の平均値①の曲線のように製品の平均値が上限側にふれている場合に\( C_{pk}\)の式(2)を使用すると、式(1)を使用するよりも\( C_{pk}\)は高い値となり過大評価してしまいます。
同様に図2の平均値②の曲線のように製品の平均値が下限側にふれている場合に\( C_{pk}\)の式(1)を使用すると、式(2)を使用するよりも\( C_{pk}\)は高い値となってしまいます。
そういう訳で平均値のバラツキを考慮して、平均値\( \mu \)が管理幅の中央値よりも上限側にある場合は(1)式を、平均値\( \mu \)が管理幅の中央値よりも下限側にある場合は(2)式を使用します。
図1:製品の平均値と管理幅の中央値が同じ場合の分布曲線
図2:製品の平均値が管理幅の中央、上限側、下限側にある場合の分布曲線
ちなみに平均値のバラツキを考慮しない工程能力指数は\( C_{pk}\)ではなく、\( C_{p}\)といって以下の式で表します。
$$C_{p}=\frac{USL + LSL}{6\sigma}$$
平均値のバラツキを考慮しなくて良いので式中に平均値\( \mu\)がないのが特徴です。
余談ですが、平均値のバラツキを考慮した\( C_{pk}\)の\( k\)は日本語の偏り(かたより:katayori)からきているそうですよw ちなみに\( C_{p}\)はProcess Capabilityらしいです。
まとめ
今回は工程能力指数(\( C_{pk} \))とは?って事で、数式とグラフを使ってご説明させて頂きました。
本記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
今日はここまで。それでは~。
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